命の水「ウブガー」

地元を紹介するローカル番組で南部の「ウブガー」が紹介されていました。

ウブガーとは産井戸、産井泉、産井川と書き、生活用水に使用していた川や井戸のことです。

 

 

 

 

昔はお正月の若水や赤ちゃんの生湯をウブガーから汲んでいたと言われています。

ウブガーの水を赤ちゃんの額につけ健やかな成長を願う「みじなりー」という儀式がありました。

沖縄の方言で水を「みじ」といい、みじなりーとは水で撫でるという意味。

川の水を額に3回つけることで健康を願っていました。

 

 

 

現在はカーウガミ(川拝み)の参拝後にみじなりーをしています。

海神祭では海の水でみじなりーの儀式を行い健康祈願をしています。

 

 

 

 

人間は水なしでは生きていけません。

水に感謝する拝みは現在も受け継がれ旧暦5月5日は各地域で「カーウガミ」が行われ、それぞれの地域の人々がウブガーで感謝の祈りを捧げています。

 

 

 

 

今帰仁城址の麓にある親川(エーガー)が私達地域のウブガーでした。

エーガーは湧き水で琉球国時代に幾度となく起きた日照りにも枯れることなく水を供給してきたそうです。

今帰仁城の人々にとっても貴重な水源であったと考えられています。

 

今でもわずかですが湧き水が出ています。

川の側に拝所があり地元の方が参拝に訪れています。

 

 

 

 

 

古代から続く風習のひとつひとつが自然に感謝する祈り。

先人たちは自然によって生かされている事に感謝を忘れることはありませんでした。

 

古き良き風習が受け継がれる事によって人間は自然に生かされているのだと気づくきっかけとなればいいなと思います。

 

 

 

 

ウブガーは日本各地にあると思います。

自分が生まれた土地の生活用水だった川や井戸を訪れる機会がありましたら、感謝の祈りを捧げて下さいね。

 

水の神様、龍神様も喜ぶと思います。