お陰様で

昨日は旧暦3月15日

三月ウマチーのフトゥチウガンでした。

14日に執り行った豊穣の祈願を今帰仁城址内にある「フイ殿内」にて感謝で願いを解きました。

 

 

「ふい」とは沖縄方言で古宇利島の事です。

フイ殿内は古宇利殿内です。

集落の祭祀はフイ殿内で執り行っています。

フイ殿内は古宇利島に向かって建てられています。今帰仁城址から北東に古宇利島があり、古宇利島に向かい祈願しています。

 

 

古宇利島には沖縄版アダムとイブ伝説があり、琉球人の祖先は古宇利島から始まったとも言われています。

今帰仁城址から北東に古宇利島がある為、遥か遠い東にあるニライカナイに最も近い島であるとの諸説もあります。

 

 

南部にある久高島と同じですね。

南部と北部に同じような伝説が残っているのも不思議です。

 

 

今帰仁城址からニライカナイに向かって拝んでいたのではと語っている方もいます。

先人達は海の彼方に神の世界があると信じ、神々様の住まうニライカナイに向かい感謝の祈りを捧げていたのですね。

 

 

先人達が祈りを大切にしていたのも、神々様のお陰で生かされていると知っていたからでしょう。

「お陰様で」

お陰とは神仏などの偉大なものの陰。神仏や神のご加護を意味し、圧倒的価値のあるそれらを敬う意味で「様」がつけられ丁寧になったと言われています。

神々様の存在、ご加護は圧倒的価値だと表現されています。

 

圧倒的にとは「他より非常に勝っているさま」

価値とは「その事物がどのくらい役に立つのかの度合い」「絶対性をもった性質。真、善、美」

大いなる存在とは圧倒的価値のある存在なのです。

 

 

 

人間はちっぽけな存在で、神々様に与えられてばかり。

人間が神のために出来ることなんて、何一つない事が分かります。

ちっぽけな存在だからこそ、神々様は与えて下さっているのではないのでしょうか。

 

 

私達が神々様の為に出来る事は、与えられた人生を精一杯生きる事。

そして生かされている事に気付き、感謝する事ですね。