ノロについて勉強する中で、ノロの新たな一面が見え驚くばかりです。
ノロのお役目は国や村のために祭祀を執り行うこと。
女性司祭として国に仕えていましたが、ノロのお役目は祭祀だけではありませんでした。
余り知られていませんが、祭祀以外にもお役目がありました。
1番驚いたのは、国の為に戦に参戦していた事です。
ノロは今でいう国家公務員。
国の為に勤めるのがお役目ですが国の為とはいえ、女性が戦に参戦するなんて今なら考えられません。
1500年、オヤケアカハチの乱。
神女組織を確立させた尚真王の時代、石垣島のオヤケアカハチが納税を拒否したことで起きた戦が「オヤケアカハチの乱」です。
尚真王は3000人の兵団を石垣島に派遣。久米島の君風南(チンペー)を従軍させました。
君風南とは久米島の神女の役職名です。
琉球には「いなぐや戦のさちばい(女は戦の先駆け)」ということわざがありました。
戦の始まる前に向かい合う両軍の先頭にノロが立ち、それぞれの相手軍への呪術と味方軍の戦勝祈願を込めて祈りを捧げ、ノロが退いたあと戦が始まります。
戦には相手軍より霊格の高い神女、相手を上回る格を持つ神女が選ばれていました。
迎え撃つアカハチ軍もノロの呪術で大地を揺るがすが、君風南は奇策には奇策を持って抗い首里王府軍の勝利で終わりました。
尚真王は君風南の功績を讃え、三十三君という高級神女の役職を与えました。
ノロは戦に従軍するなど島民の為に動いた政治家の一面もあったのです。
3000人もの兵で戦う大きな戦にも関わらず神女を従軍させていたのは、ノロの霊力、祈りの力を信じていたから。
国王がノロを必要としていたのですね。
ノロは琉球國になくてはならない存在だったのです。