御嶽の本来の姿

御嶽とは遥拝所であると同時にニライカナイから迎えた神様を祀る聖地。

祭りに際して神様は御嶽を訪れ、自然石やクバの木などの大木を依代としていました。

 

 

御嶽の中心には神様が鎮座する「イビ」があり、その前に香炉が置かれています。

斎場御嶽のように整地され拝所であるとひと目でわかる御嶽もあれば、今帰仁村のクバの御嶽のように大庭に辿り着くまで足場も悪い道が続く山の奥深くにある御嶽もあります。

 

 

 

御嶽といっても自然に囲まれた何もない場所がほとんどなので、初めて訪れる人はどこがイビなのか分からないと思います。

御嶽にある草木や石ころ1つでも持ち帰っていけないと言われているのは全ての自然に神様が宿っているからであり。

霊石と石の区別がつかず持ち帰る事があってはいけないからです。

 

 

 

御嶽はノロの祭祀場で一年を通して祭祀を執り行っています。

五穀豊穣、子孫繁栄、航海安全などの祈願を感謝と共に解く「フトゥチウガン」を執り行っています。

個人の祈願ではなく、全ての民のための祈願です。

 

御嶽は古来より神々様に感謝の祈りを捧げる聖地でした。

今でも神人によって感謝の祈りが捧げられています。

 

御嶽本来の姿を知ると御嶽はお願い事をする場所ではない事が分かります。

 

 

 

 

人それぞれに思いがあり御嶽や拝所を訪れていると思います。

神仏様に聞いてほしい事や力を貸して欲しい事がある人も多いと思います。

思いを伝えることは悪い事ではありません。

思いを伝えるだけで安堵に繋がるからです。

 

 

 

御嶽に限らず全ての拝所で参拝する際には、名前を名乗り神仏様に挨拶をする事が礼儀です。

挨拶のあと今ある幸せに感謝を伝え、願いがあるのなら意宣る(宣言)ことです。

 

 

 

「人事を尽くして天命を待つ」

全力で努力したらその後は心穏やかに、結果は天の意思に任せる。

それが神仏様の望む意宣りだと思います。