使命を果たした琉球の女神官

沖縄の歴史や文化や観光を動画配信している「阿波根あずさのうちなーチャンネル」

ノロを取り上げていただき動画配信という形で多くの方々に、琉球の祈りやノロの存在を伝えてくれました。

 

 

第二弾はノロのインタビューとして動画配信しています。

母は人前で話すことが苦手なのでノロとしての話が上手く伝わるかどうか気になりますが、ノロとしての生の声なので是非聞いて欲しいと思います。

 

 

 

20代でノロの家に嫁ぎ60年余りノロを務めている母。

年に二十数回の祭祀を60年欠かす事なく務めている事。並大抵の苦労ではなかったと思います。

私達に母と同じことが出来るかというと絶対に無理です。

 

 

 

苦労を苦労と思わず務め続けているのは、自分に与えられた運命であり使命だと受け止めていたからだと思います。

母は「何で自分がノロをしなければいけないの」という事すら考えた事がなく、ノロとして祭祀を務めるのは当たり前だと思っていました。

当たり前だと思えることこそ、神様から与えられた使命なんだと感じています。

 

 

 

1880年頃の女神官(ノロ)の実態調査の結果。

上級の女神官を含め地方の女神官を合わせると239人。沖縄県が設置された段階で役棒を支給された国家祭祀を担っていた女神官が琉球國内にこれだけいたとの調査結果が残されています。

琉球国有の祭祀を担った女神官たちの存在が、琉球社会の中で無視できない存在として根を張っていた事が明かになっています。

 

 

 

琉球國全島にノロがいて国のため、民のために祈り続けていたのです。

琉球が「神の島」と呼ばれているのも女神官という重責を担い、祈りに人生を捧げてきたノロの存在があったからだと思います。

 

 

今でも沖縄が「神の島」と呼ばれ続けているのは、琉球の祈りが生き続けているから。

祈りのある場所に神様が宿るからです。

ノロの祈りは利他的な祈り。

人を思う祈りはいつまでも生き続けます。

 

 

 

沖縄の全ての土地にその地域管轄のノロがいました。

その地域でノロとして国のため、民のために祈り続けていました。

沖縄はどの地域もノロの祈りで満たされています。

神様からお借りした土地に感謝しその土地に祈りを捧げてきたノロさんにも感謝する事で祈りと感謝で満たされた土地となり、そこに神仏様は宿るのです。

 

 

 

沖縄に限らずどの地域でも先人達は祈り続けていたと思います。

先人達にとって生きていく上で祈りは欠かす事の出来ないものだったからです。

 

 

全てがお陰様であるという心からの感謝の祈りで、神仏様の宿る綺麗な土地へと生まれ変わります。

それが「屋敷拝み」です。

古き良き風習として今でも沖縄に残っています。