今朝、ベランダの方から「カァーカァー」と鳴き声が聞こえ、外を覗いてみると電柱にカラスが止まって鳴いていました。
北部より都会のこの場所でカラスの鳴き声を聞くのは珍しい事。ここでカラスの鳴き声は初めて聞いたかもと思いながらカラスを眺めていると、ふと思い出した事がありました。
北部でカラスが鳴くのは日常茶飯事でしたが、家の近くでカラスが鳴いているとおばぁが
「イイクトゥ、ガラーシ。イイクトゥ、ガラーシ」と唱えていました。
「良いこと、カラス」という意味です。
カラスが鳴くと不吉だからと「良いことを伝えるカラスだよ」という願いを込めて
「イイクトゥ、ガラーシ」と唱えていたのです。
幼いながらにカラスが鳴くと良くない事が起こるのではと怖くなり、カラスの鳴き声が聞こえるたび「イイクトゥ、ガラーシ」と呟いていました。
今朝、カラスの鳴き声を聞いてその当時を思い出し笑ってしまいました。
同じ今帰仁の人に「イイクトゥ、ガラーシって言ってた?」と聞くと知らなかったので、もしかすると私達の住む集落だけの言い伝えかも知れません。
今ではカラスは「神の使い」の神聖な鳥だと言われています。
昔は不吉な鳥だと言われていたのが可哀想な気がします。迷信に踊らされていたのですね。
言い伝えであれ迷信であれ人が考えた事です。
昔から教えられていた事が現在では違った教えになっている、そんな事も多々あります。
人の教えなので人が変われば教えも変わります。
先人達の教えや風習はとても大切で学ぶべき事が沢山ありますが
今の世と照らし合わせ受け継ぐ事、変えていく事を自身で判断するのも大切な気がします。
自分に自信がないと人の言葉に踊らされてしまうのですね。
カラスが鳴くと恐れていた様に、そうであると疑わずにいたので恐れてしまったのです。
マイナスな事や恐怖を感じる未来を伝えられたら、人は恐れから信じてしまいます。
不思議な事にマイナスな情報は信じやすいのです。
疑うという勇気さえ湧きません。
それだけ人は見えない未来に不安を抱えているのです。
不安でどうしようもなかった事も、後に振り返ると大したことではなかった。
不安とはそう言うものです。
「心配事の9割は起こらない」という本も出ています。
自分で不安を生み出しているだけで、起こらないという事です。
自分で生み出した不安は仕方ありませんが、人が生み出した不安まで抱える必要はありません。
未来の分かる人などいません。
ただでさえ不安な世の中です、要らぬ不安は受け取らない。
決めるのは自分自身です。
明るい未来を選択していきましょう。