生活の中にある「おまじない」

今でも生活の中に「おまじない」が根付いています。

 

おまじないとは「神仏様、その他神秘的な力を持つものの力を借りて災いから逃れようとする術であったり、願いを叶える術」

その土地ならではの「おまじない」は数多くあり、科学的根拠はなく迷信だと言われながらも信じる人は多く、今でも「おまじない」がなくなる事はありません。

 

 

 

沖縄には独特のおまじないが沢山あります。

代表的なものが「まぶいぐみ」ですね。

まぶいとは魂の事で「まぶいぐみ」とは魂を元に戻す方法の事です。

 

 

 

怪我をしたり、怖い目にあったり、驚いた時など魂が体から抜け出すと信じられていて。

「マブヤー、マブヤー」と言いながら魂を拾い上げ、頭に手を当て魂を戻していました。

 

子供が転んだ時などおばぁが「マブヤー、マブヤー」と魂を拾い頭をなでる動作を見て育ってきたので、今でも驚いた時にはとっさに「マブヤー、マブヤー」という言葉が出ます。

「マブヤー」という言葉を唱える事で落ち着きを取り戻していました。

 

 

魂が体から抜け出し大変な事になる。昔はそう信じられていました。

今では魂が抜け出すという心配よりも、ビックリした時に落ち着かせる魔法の言葉の様な気がします。

 

「マブヤー、マブヤー」と唱える事でホッとするから不思議です。

 

 

 

昔はカラスが鳴くと不吉だと不安な気持ちから「イイクトゥ、ガラーシ(良いこと、からす)」と唱えていました。

「良いことでカラスが鳴いているのだよ」という思いを言霊に込めて唱えていたのでしょう。

田舎なのでカラスの鳴き声は日常茶飯事でしたがそれでもカラスが鳴くたび「イイクトゥ、ガラーシ」と唱えていたのは、不吉な事が起こるかもしれないという不安を取り除く為だったのですね。

 

 

 

生きている中で不安は付きものです。不安がなくなる事はありません。

それが不安を取り除くおまじないが今でも根付いている理由だと思います。

 

 

 

おまじないは各地域に存在しています。

迷信だとか胡散臭いとか言われながらも今の世に根付いている根底には、不安な事があると神仏様が救って下さると信じているからでしょう。

普段は神仏様を意識することはなくても、最終的に頼りにしているのは神仏様なのです。

神仏様を心の拠り所としているのですね。

 

 

生きていく上で心の拠り所は必要です。

おまじないが迷信かどうかなんて関係なく、おまじないを通して不安がなくなるならいうことありません。

 

 

人々の願いに応えるよう神仏様は常に人々の側で寄り添い、心が平穏である様にと見守っています。