旧盆明けの亥の日を挟んだ3日間を通して、「ウンジャミ」と呼ばれる海神祭が執り行われます。
1日目は今帰仁城内にある「ウーニー」と呼ばれる土盛で、船漕ぎの御願を執り行います。
ウーニーとは沖縄の方言で「船」
今帰仁城のふもとにあるウーニーと今帰仁城内にあるウーニーの二ヶ所で、土盛を船に見立てかいを漕ぐ動作をし航海安全を祈願します。
最後に平郎門から主郭に向かいウーニーでの祭祀を終えた事を報告し、1日目が終わります。
2日目は「グスクウイミ」と呼ばれ、城内の神アサギ跡で五穀豊穣、無病息災、家内安全、子孫繁栄を祈願します。
更に主郭の「カラウカー」「火神の祠」「テンチジ、アマチジ」「ソイツギ」の各拝所をまわって航海安全を祈願します。
その後、今帰仁城跡のふもとにあるニライカナイに続く海「シバンティナ」の浜で、カイに見立てた棒を砂浜に立てニライカナイに向かい航海安全を祈願します。
最後にノロ殿内近くの小高い丘から今帰仁城趾に向かい「グスクウイミ」の終わりを告げます。
3日目は「シマヌウイミ」と呼ばれ、集落にある二ヶ所の神アサギにて航海安全を祈願し全ての海神祭は終わります。
3日間に渡る海神祭。
旧暦7月は新暦の8月。毎年暑い中での祭祀です。
特に2日目の海は沖縄の厳しい炎天下での祭祀なので、体力的にもキツいです。
今帰仁城跡から海まで車で移動していますが、車のない時代は歩いての移動でした。
炎天下の中、歩いての移動は大変だったでしょう。
真夏に長い距離を高齢の方々が歩いて移動していたなんて、便利な世の中を生きている私たちには想像すら出来ません。
炎天下でも、雨風が強くても、祈りを欠かす事は出来ません。
それが国の為、人々の為に祈りを捧げるノロの使命なのです。
現在ノロは途絶えつつありますが、この先ずっと琉球の祈りが途絶えることはありません。
沖縄のどの地域もどの場所も、今でもそこにはノロの祈りが生き続けています。
これから先もずっと変わることなく、祈りで満たされた島「沖縄」であり続けることでしょう。