琉球王国時代、各地域にノロが任命され住んでいる地域の管轄で祭祀を執り行っていました。
現在とは区割り(現在の市町村)も違いますが、琉球王国時代の区割りで管轄が決められていました。
地域ごとにノロ殿内がありノロを中心に地域の祭祀が執り行われ、管轄にある御嶽はノロの祭祀場でした。
御嶽ではフトゥチウガン(感謝の祈り)を捧げていました。
琉球王国時代、ノロは約250名いたと言われています。区割りの地域の数だけノロは存在していたという事です。
ノロの役目は地域の祭祀を執り行う事。
御嶽や拝所で神々様に感謝の祈りを捧げる事でした。
日本で唯一、住民を巻き込んでの地上戦が繰り広げられた沖縄。
沖縄全域に悲しい記憶が残っています。
どの土地にしても悲しい記憶のない土地はありません。
そんな沖縄に生きています。
琉球の全ての土地はノロによって感謝の祈りが捧げられてきました。
ほとんどのノロは途絶えてしまいましたが感謝の祈りは途絶えることなく、沖縄に住むひとりひとりが感謝の祈りを引き継いでいます。
住まわせて頂いてる土地に感謝する「屋敷拝み」がそうですね。
それぞれの場所から土地に感謝の祈りを捧げています。
神々様からお借りしている土地に感謝を捧げる「屋敷拝み」は古き良き風習として、個々に引き継がれています。
沖縄は「神の島」と呼ばれていますが。
神様のパワーあふれる場所だから神の島ではなく、人々が神々様と共に生きている場所だから「神の島」なんだと思っています。
共に生きていると感じているから、祈りを絶やすことはなかったのでしょう。
琉球から変わる事はなく祈りは引き継がれ「ウートートー」という尊い祈りの言葉で、幼い子供から大人までいつでもどこでも自然と手を合わせ祈っています。
祈りの風習が途絶える事がないのは、全てはお陰様だと知っているから。
ひとりひとりの「ウートートー」のお陰で、沖縄は感謝に満たされた美しい島なのですね。
感謝の「ありがとう」は神々様の喜び。
神々様に感謝、自然に土地に感謝、ご先祖様に感謝。
「ウートートー(御尊い)」
今いる場所から「ウートートー」
真心で感謝を伝えること
何も特別な事は必要ないのです。