ノロ殿内の敷地にある小高い丘を「山」と呼び、みんなの遊び場でした。
木々が生い茂っている中に小屋を作りそこを遊び場にしていました。今の様にゲームで遊ぶ時代ではなく、外で駆け回って遊ぶのがほとんどでした。
「ヌンドゥルーチモー」ノロ殿内の広場。
私たちの遊び場であったモーは、地元の人にとってとても大切な場所でした。
拝所の上の方に位置し、小高い山の上は広場になっていました。
モーの下には緩やかに伸びた坂道があり、モーから道が見下ろせます。
「旅立ちの場所」
戦争に行く家族や、県外に働きに行く家族を見送る場所。
無事帰ってく来ることを願いノロ殿内の神棚で祈願し、香炉の灰のお守りを授かり旅立つ。
残された家族はヌンドゥルーチモーから旅立つ家族が坂の向こうに見えなくなるまで手ぬぐいを振り見送る。
大切な家族が戦争に向かう後ろ姿をどういう気持ちで眺めていたのでしょう。
いろんな想いが残っているモー。
緩やかな坂道を見下ろしてると、何とも言えない気持ちになりました。
無事、帰って来れるかどうか分からない戦地へ見送るのです。
残された家族はどれほど辛かった事でしょう。
「無事帰って来てほしい」旅立つ前の祈願は心からの神頼み。
無事である事を神に願う、神に頼るしかありませんでした。
遠い昔の話ではありません。
そう考えるととても怖いですね。
嫉妬、妬み、批判、誹謗中傷。
1番でありたい人達の見えない争い。
しあわせであるはずの今の世で自ら争いを巻き起こす。
戦争を生き抜いた先輩方々のお陰で今のしあわせがある事を知っていたなら、無意味な争いはなくなるはず。
いかに自分がしあわせな時代で生かされているのか。
そこに気づくと感謝しかありません。