沖縄に伝わる礼儀を重んじた祈りの作法

 

お天道様に手を合わせる。

 

人は太古の昔より、大自然に対する感謝と畏敬の念から

 

天に海に山に川に地に岩に木に

 

すべての自然神様に向かい手を合わせてきました

 

見えない意思に対する祈りが、様々な形で今日まで続いています

 

先祖代々、祖母から母へ、娘へ、孫へ

 

沖縄で生まれ育った人の記憶には神々様、ご先祖様の前で

両手をすりすり摩り合わせ

まぁるく屈んだ背中から柔らかなやさしさをたなびかせ

 

 

朝な夕なに「ウートートー」

 

オバァの祈る姿が目を閉じれば懐かしく広がるでしょう

 

 

 

 

豊穣を生み出す海と大地

太陽と月

火、水、風、大自然の織りなす全てが揃わなくては

人は生きていくことができません

 

 

穏やかに、清らかな心で

両の掌を合わせ心からの感謝を祈ります

ウートートー

 

 

 

拝所(うがんじゅ)御嶽(うたき)はもちろん

 

自然そのものは神々様の住まう空間です

 

自然の木々や岩にはたくさんの神々様が宿っています

 

本島も離島も本土もおなじ

 

我が国は八百万の神々様のいらっしゃる国です

 

 

神々様のいらっしゃる神聖な場所で騒ぐことのないよう

 

すべての方々に、心からお願い申し上げます

 

 

人として当たり前の心があれば守れることです

 

 

拝所や御嶽に足を運ぶことは

 

神々様が住まわれる神様のお屋敷にご挨拶に伺うことです

 

それは

 

人様のお屋敷に伺うのとおなじことと考えてください

 

人様の家にわざわざ足を運んで

 

そこで騒いだり

 

ご利益があると思い込んだ得手勝手な欲心から

 

人様の敷地に生える生木の皮を剥ぎ取り持ち帰ったり

 

太古の昔からその場に存在する石や砂を

 

黙って持ち出す窃盗行為

 

 知人の家で平気な顔して窃盗する人はいないでしょう

 

 

そこに誰もいなくても、お天道様は見ていらっしゃいます

 

 

あの世のご先祖様が恥ずかしくないように

 

天を仰いでみてください。

 

見えなくてもそこに神々様はいらっしゃいます

 

 礼節をもってご参拝ください

 

 

沖縄の数え切れない神聖な祈りの場

 

拝所(うがんじゅ)

御嶽(うたき)

御嶽のなかにある石で囲われた「イビ」

 

 

 

「イビ」は御嶽のなかでもっとも神聖な空間

 

地元の人も畏れ多くて近づけない空間が「イビ」です

 

神様がいらっしゃる空間だからです

 

その場を守る見えない存在もたくさんいらっしゃいます

 

祭祀が執り行われるとき

 

神々様と人を結ぶ祈り人『  神女・ノロ 』だけが古来より伝わる

 

神聖で大切に守ってきた儀礼に則り祈る場所です

 

 

 

幼少のころには祖父母に手を引かれて祭祀に訪れた懐旧

 

日常で自然の祈りに触れてきた人でも

 

古い拝所や御嶽に気づかないことがあるほど自然体です

 

 

神社やお寺と違って建物らしきものはありません

 

こども達なら駆け上りたくなるような石積みの小山です

 

ですが

 

囲いの奥にご神体である自然石が祀られる神聖な場所です

 

 

 

初めて目にする人には注連縄もないため

 

それがご神体なのか

 

ただの石かを区別するのは難しいです

 

 

知らなかったから許されるということはありませんから

 

側に拝所や御嶽がある場所に観光にきている自覚をもって

 

 

御嶽付近での観光は

 

ご自身で注意を払って参拝なさってください

 

 

お見かけしました折りには

まちがえないようにお声かけさせていただきますが

拝所や御嶽に四六時中いるわけではありませんから

 

どんな時も守って差し上げることは残念ながら適いません

どうぞ礼節をもって参拝していただけるようお願いします

 

 

くれぐれも

 

丁度いい大きさの石だからと腰掛けたり

 

遠くを眺める為に岩によじ登ったらそこは神様の頭の上で

失礼極まりない形になってしまったなんてことのないよう

 

 

ゆったりと

 

神々様からご加護を受けて満たされていただけますように

 

 

そして

拝所(うがんじゅ)御嶽(うたき)にあるもの何一つ

持ち帰ってはいけません。

 

 

枯れ木や

落ち葉の持ち出しを禁じている神聖な御嶽もあります。

 

 

持ち帰っていただくものはゴミだけです

 

神聖な場所にゴミを置いていくこともお止めください

 

 

 

どうぞ常識ある行動をもって

 

琉球國のころより自然のなかにいらっしゃる

 

沖縄の神々様に

 

心を込めて感謝を伝えるお参りをしてくださりますように

 

 

 

 

 

沖縄の拝所(うがんじゅ)や御嶽周辺には

 

小岩や木の根がごろごろあって

 

歩きにくく滑りやすい箇所もあります

 

 

神々様にご挨拶にきてくださって怪我をしては

 

元も子もありません

 

 

歩きやすいスニーカーでの参拝がオススメです

 

 

 

足元が不安定だと危険です

 

無理して歩けば、疲れて氣が暴れ出します

 

そうなれば

 

心を落ち着けることが難しくなってしまいますから

 

せっかくお出でになった神聖な祈りの場

 

心おだやかにゆったりと過ごすはずの時間

 

台無しになりますことからハイヒールはお止めください

 

 

神聖な場所の木々の根をハイヒールで踏みつけてしまい

 

ご神木を痛めつけてしまう危険もふくみます

 

 

 

沖縄に継承される自然信仰

 

 

参拝のお作法と神々様に対する心構えを胸において

 

しっかりと神々様に向き合いご挨拶なさってください

 

 

必然的に

ご自身の内なる神様と向き合うことが叶って

 

あなたの新しい人生の扉が明るく開くことでしょう

 

 

そのとき

 

 

我利我利あちらこちらの神々様に

 

願い叶えてと縋らずとも

 

あなた様の心のなかのお願いは神々様に視えています

 

心清らかに感謝をお伝えすることができることで

 

あなたの望む現生利益を含むお願いごとも

 

叶う方向に繋がる氣運へと次第に流れが変わるでしょう

 

 

神々様は願いを一瞬で叶えてくれる魔法使いではありません

 

いつでもすぐそばで見守ってくれています

叶えたい現実にむかって日々懸命に努力する姿をみています

 

すべてに感謝できるおかげ様の心が育っていることもみています

日々与えられた命を一生懸命に生きている姿をみて

 

そっと後押しお力添えしてくださいます

 

 

 

 

感謝をもって神々様のご多幸を祈ってくだされば幸いです

 

 

 

神々様のご加護が降り注ぎ

 

あなた様がしっかり愛に包まれるようお祈りいたします

 

 

今帰仁ノロ殿内 本ノロ:仲尾次ヨシ子 拝