琉球の祈りやノロの存在を伝えたいと動き出してから、8年余りの時が過ぎました。8年前はノロを知っている人も少なくユタと混同されていました。
この8年でいくつかのテレビ番組に取り上げられ、ノロとは琉球の祈り人だと知ってもらえる機会に恵まれました。
後世に残すためにはまずは知ってもらうこと。
そう思い伝え続けてきましたが伝われば伝わるほど、間違った情報で伝わることもあるのだと感じています。
最近、参拝所より御神木である龍眼の木が知れ渡っているようで、龍眼の木を見にくる人が増えています。
私達の想像を超えるほどエネルギーがあふれている御神木。
多くの方々に龍眼の木のエネルギーに触れて欲しいので、会いにきてくれるのは嬉しいことです。
ただ、ひとつ、ずっと前から悩んでいる事があります。
龍眼の木ばかりが有名になってしまい、琉球から続く拝所である事を知らずに足を運んでいる人が増えた事です。
ノロ殿内という拝所があり、御神木である龍眼の木があるのが本来の姿です。
先日、7・8名で龍眼の木に会いに来た方々がノロ殿内に挨拶することもなく、神棚に背を向けたまま龍眼の木からパワーを貰っていたことがとても気になりました。
神仏様に背を向けパワーだけを頂くのは、作法として間違っています。
まずは神棚、ノロのお仏壇に挨拶をすること、その後に御神木に挨拶です。
「隠れパワースポット」だと聞いて訪れたそうで、拝所だということは知らなかった様です。
いつから「隠れパワースポット」になってしまったのか。
口コミの怖さを知りました。
琉球の最高神を祀ってある神棚に背を向け、龍眼の木からパワーを貰う。
拝所であることや背景にある歴史を知っていたなら、絶対にできない行為です。
パワーが欲しいならせめてその背景にある歴史を知ることは必要ではないか、と改めて考えさせられました。