それぞれの国に残される神話。
琉球國にも数々の神話が残されています。
最も有名な琉球開闢神話はアマミキヨという神様が、神様の世界から降り立ち国造りを始めたというものです。
神様の世界とは東の海の彼方にある楽園「ニライカナイ」
ニライカナイから降り立ったアマミキヨが島々を造り、そこに一組の男女を住まわせたのが始まりです。
その舞台となっているのが久高島ですが、ほかにも浜比嘉島や古宇利島にも神話が残っています。
ひとつの国にいくつかの開闢神話が残されているのは不思議ですが、それぞれの地域の神話がそれぞれの地域で後世まで語り継がれてきたのは、ここから琉球が始まったのだと住んでいる土地に誇りを持っているからだと思います。
生まれ育った故郷を誇りに想うことは、その土地の神様も祖神であるアマミキヨの喜びにも繋がると思います。
神話にはいくつかの諸説がありますが、琉球の始祖が五人の男女から始まるのは共通しています。
一組の男女から三男二女が生まれました。
長男は国王、次男は按司、三男は百姓の始めとなり。
長女は神様に仕える神官・聞得大君、二女は地域のノロとなりました。
国の始まりに国をまとめる国王や、生活の基盤である百姓が必要であったのは分かりますが、女の子二人が神様に仕える神官であったと神話に残っているのはとても興味深いです。
祖神アマミキヨは国造りに祈りが必要であると考え、琉球國の最高神官である聞得大君と地域で祭祀を務めるノロを生み出したのかもしれません。
沖縄が神の島と呼ばれているのは、祈りと共に国が誕生したからではないかと思います。
祖神アマミキヨが望んだ祈りある島が今も続いています。
ノロの祈りは受け継がれ、各家庭でも御願行事を大事にしています。
必要なものはなくなりません。
祈りとは、人が生きていく上で欠かせないものだと改めて受け止めています。