お供物の種類や品数について数々の教えがあります。
果物はリンゴやバナナが良いとか品数は奇数でお供えするなど。それぞれに深い意味があり、細かな決まりがあります。
お供物の習わしは昔々から代々伝わってきています。
沖縄で神事のお供物の代表はうちゃぬくです。
丸い形の白いお餅を三段重ねにした物を3つ並べて、合計9個のお餅をお供えします。
うちゃぬくには「今の世」「中の世」「御先世」や「天・地・海」「父・母・子」など。様々な意味が含まれています。
白いお餅は「真っ白な気持ちで祈りを捧げます」という意味が込められています。
沖縄の御願行事が近くなると、スーパーには沢山のうちゃぬくが並びます。
うちゃぬくと一緒に並んでいるのが「タンナファクルー」です。
沖縄は御願行事が多くお餅ばかりだと食べ残すことがあるので、日持ちする焼き菓子のタンナファクルーをお餅の代わりとしてお供えしている家庭もあります。
タンナファクルーとは黒糖・卵・小麦粉で作った焼き菓子です。
うちゃぬく同様、大中小の大きさのタンナファクルーを三段に重ねたものが3つセットになって売られています。
沖縄には「お供物のお下がりを頂きます」という意味の「ウサンデーサビラー」という方言があります。
お供物を下げる時の言葉です。
お供物のお下がりを頂くことでご加護が得られるとの言い伝えがあるので、感謝してお供物を頂いています。
お供物には深い意味が込められています。
お供物は習わし通りのお供物でなくても大丈夫なのかと不安になる人も多いですが、お供物を食べきれずに捨ててしまう方が気になります。
食べ物を大事にという思いからお供物を変えているのはこの世に生きる人の考えで、神仏様ご先祖様にとっては深い意味が込められたお供物の方が良いのは誰でも分かっています。
分かった上でこの世の事を考え、ぞれぞれの思うお供物を選んでいます。
神仏様ご先祖様はこの世の事を理解しているので、どんなお供物であっても受け取って下さるのです。
私達は、神仏様ご先祖様を想い祈りを捧げ。
神仏様ご先祖様は人々を想い、祈りを受け取っています。
神仏様ご先祖様を想う気持ちは祈りを通してきちんと届いているので、形に縛られ不安になる必要はないのです。