旧盆を終えた日から最初に迎える亥の干支の日、海神祭が行われます。
豊作、豊漁を祈る御願行事です。
海神祭は三日間あり今帰仁城跡のウーニーと五ヶ所の拝所。集落にある龍宮神の海。集落の神あさぎで祭祀が行われます。
いつもは観光客で賑わう今帰仁城跡ですが、台風の影響なのか土曜日は人気がなく静まり返っていました。
静かで厳かな中、祈りを捧げました。
今帰仁城跡の主郭から見える海です。
先代のノロさん達も海を眺めながら、民の安全を祈っていたのでしょうね。
海神祭は三日間にわたり行われます。
今帰仁城跡で御願が執り行われ、その後に龍宮神からニライカナイに向かい祈願します。
高台にある今帰仁城跡からふもとにある龍宮神まで距離があります。今は車での移動ですが昔は歩いて移動していたのとても大変だったと聞きました。
ひいおばあちゃんの時代は車がなく、祭祀の日は今帰仁城跡を何度も歩いて往復したそうです。
昔はアスファルトもなく石ころだらけの坂道。
足場の悪い道を歩いて往復するのはどれほど大変だったのでしょう。歩いている姿を想像するだけで心が痛くなります。
昔々、祭祀の日に馬がノロを迎えに来ていました。
ノロ殿内にも馬に乗るための鞍があったと聞きました。
馬に乗って祭祀に向かうノロの姿を一目見ようと、通り道に人々が集まっていたそうです。
馬に乗り祭祀に向かうノロの姿。
今では想像もつきませんね。ドラマの世界の様です。
琉球時代のノロの存在は特別だったのです。
昔々は馬がお迎えに来るほど特別扱いだったノロですが、ノロ制度が廃止になった後のノロはとても苦労しました。
ひいおばあちゃんの時代はノロ制度が廃止になったので保証もなくなり、個人でノロ殿内を守るしかありませんでした。
個人で守り続ける苦労は計り知れません。
それでも守り続けてくれたおかげで、今のノロ殿内があります。
人々の生活に祈りが必要なのは今も昔も変わりません。
祈りの力を知っているから、人々は祈りを求めるのです。
人々に求められるものは、永遠になくなる事はありません。