今日は旧暦4月15日。
「アブシバレー」という伝統的な御願行事でした。
14日にノロ殿内にて豊作祈願をし、15日に今帰仁城址のフイ殿内にてフトゥチウガンを執り行いました。
アブシとは田畑の畦(あぜ)、バレーとは払う。
アブシバレーとは虫祓い。
虫を払い豊作を祈願する行事です。
家庭では庭の掃除をした後に砂を撒き、庭を清めます。
虫が多くなる季節、庭を清め害虫やへびから家を守るという意味が込められています。
ノロ殿内では午前中に旧暦15日のウートートー、午後にアブシバレーの御願行事を執り行いました。
旧暦15日、一般家庭ではヒヌカンだけをウートートーしますがノロ殿内ではヒヌカンをはじめ神棚、ノロのお仏壇、ご先祖様のお仏壇をウートートーするので朝から準備に追われます。
実家では高齢の両親が準備をするので1日、15日は大変だろうなと気がかりです。
クロトンを取り替えるため椅子を使い神棚から花瓶をおろしています。
神棚、ノロのお仏壇、ご先祖様のお仏壇。
8つの花瓶の水を入れ替え、庭から取ってきたクロトンに交換します。それだけでも重労働です。
お供え物のウブクを準備します。
ウブクとはお供え用のご飯の事で、炊き立てのご飯を1番最初に取り分けてお供えします。
お茶、お水を入れ替えます。
お供え物を準備し交換するだけでも1時間はかかります。
準備が整うとヒヌカンからウートートーをはじめ、神棚、ノロのお仏壇、ご先祖様のお仏壇の順に手を合わせます。
毎月1日、15日の2回。
ノロとして欠かす事なく執り行っている行事です。
毎月カレンダーの1日、15日が大きな丸で囲まれているのを見るたび、ノロとしての責任感の強さを感じます。
毎月欠かす事なく祭祀を務めているのは母にとって祭祀は生活の一部であり、ノロとしての役目が特別な事ではなく当然な事だから。
ノロとして何十年も欠かす事なく祭祀を務めているのです。
祈りとは本来人間に備わっているもの。
祈りを捧げる人や祈ることが特別であってはいけないのです。
祈りとは当たり前にそこにあるものです。