祈りを通して学ぶこと

去った旧暦6月15日は「6月ウマチー」の祭祀の日でした。

 

その日は今帰仁に帰っていたのですが、今帰仁に到着した時間には既に祭祀を終えていて、母は家で15日の準備をしている所でした。

朝早くに「6月ウマチー」の祭祀を務め、その後すぐにノロ殿内で旧暦の祈りと慌ただしい1日だったようです。

 

 

「6月ウマチー」は五穀豊穣

花米、お酒、お菓子をお供えし、農作物の豊作や、麦稲の刈り上げ祈願を親川(エイガー)の上にある「ティラ」の方に向かって祈願します。

昔は稲をお供えしていたそうですが、今は稲が手に入らないのでお菓子をお供えしているそうです。

 

「ティラ」では五穀豊穣の祈願です。

豊作の願いを立てます。(タティウガン)です。

朝9時に願いを立てると、午後1時に願いを解く(フトゥチウガン)を今帰仁城内にあるフイ殿内にて執り行います。

その日の内に願いを立て、願いを解いています。

 

 

今帰仁ノロ殿内にて願いを立て(タティウガン)

今帰仁城内にあるフイ殿内にて願いを解きます(フトゥチウガン)

 

フイ殿内のフイとは古宇利島のことです。

古宇利島の火ヌ神です。

 

 

琉球の祈りは願いを立てたら、願いを解く。

お願いをした後は「ありがとう」と感謝を伝え願いを解く。

お願いばかりではいけない事を先人たちは知っていたのですね。

 

年に数十回ある祭祀のひとつ、ひとつ全てが祈願したら翌日には願いを解いています。

母はどんなお願いでも願ったあとは、必ずお礼を伝えるようにと教えてきました。

神に願うことで安心し、願いが叶うと神にお願いした事すら忘れてしまう。それでも神々様が怒るということはありません。

 

お願いを聞いてもらったのだからお礼を伝えるのは当たり前のこと。

人として大切な心を忘れてはいけない。祈りを通して教えているのだと思います。

 

 

感謝し願いを解くことで、綺麗な祈りが神の元へと届くのでしょうね。