ローカルニュースで「アブシバレー」の祭祀の様子が流れていました。
「アブシバレー」とは、旧暦4月の吉日に行われる虫払いの御願行事です。
五穀豊穣・無病息災を祈願し、芭蕉の葉と茎で作った船にタニシを乗せて海に流していました。
昔々、害虫の害は脅威だった為、村落の外へ追い出す事が最上の手段でした。
大事な作物を害虫から守るため、ノロを中心に虫払いの儀式が行われていました。
「向こうで虫が幸せに暮らせますように」との願いを込めて海に流す儀式。
向こうとは東の海の彼方にある「ニライカナイ」です。
ニライカナイは神界であり、魂の故郷でもあります。
先人達は虫の幸せを願いニライカナイへと送り出しました。
作物にとっては害虫でも虫も生き物です。
ただ追い払うのではなく虫の幸せを願った上で送り出す。
そして人々のために豊作を祈願。
お互いに幸せになることを願う、先人達の想いを感じました。
琉球から受け継がれる御願行事のひとつひとつに、先人達の深い想いが込められています。
御願行事には想うという大事なことが隠れていることを、先人達が教えてくれた気がします。