拝みに思うこと

先日、今帰仁城址の城壁の外から煙が上がっているのが平郎門から見えたそうで。

係の方が慌てて煙が上がっている場所を探したら、旧ノロ殿内跡のヒヌカンだったと連絡がありました。

 

 

旧今帰仁ノロ殿内は今帰仁城址の城壁の外にあり、現在はヒヌカンの祠が残されています。

小さな祠にヒヌカンが祀られノロ殿内の親族が拝んでいます。

 

 

 

祠の側に石垣が積まれ線香を燃やす場所になっています。

話によると石垣で火を燃やしている人がいたそうで煙が上がったようです。

「ここで火を燃やすのは絶対にやってはいけない事ですよ」と担当者が伝えると「沢山の葉が落ちていたから燃やした」と話していたそうです。

 

 

 

 

火を消し大事に至らずに済みましたが担当者が念のためもう一度確認に訪れると、再度煙が出ていたそうで2度火を消したそうです。

 

石垣には沢山のお線香の燃えカスと、ウチカビの燃えカスが積まれていました。

ウチカビとは先祖供養に用いられるお金で、燃やすことであの世にお金が届きます。

ウチカビはとても燃えやすく軽い為、外で燃やす際には風で飛ばないよう注意が必要です。

 

拝みに使用したお線香とウチカビを燃やしていたのかもしれません。

旧ノロ殿内は無人であり城内からも離れた場所にあるので、火の扱いには十分に気を付けないといけません。

親族の拝みでも石垣で線香を燃やした事がなく、拝みで使用したものは持ち帰っています。

 

 

 

ノロ殿内でも今まで火の扱いに関する問題がありました。

 

神棚やノロのお仏壇のある部屋の床は、お線香で燃えた跡が沢山あります。

龍眼の木の根っこに燃えた跡がありました。龍眼の木の根っこにお線香を立てかけたのだと思います。

龍眼の木の後ろで沢山のお線香を燃やしていた人がいたので「ここで燃やさないで下さい」とお願いすると「昔からここで線香を燃やしていたんだよ」と話されました。

 

 

一部の人にとってノロ殿内は拝所でしかなく人が住んでいるという認識がないのでしょう。自由に拝みをして良いと思っているのです。

拝みに関して言うことはありませんが、火の扱いだけは十分に気をつけて欲しいです。

拝みに使用したものは持ち帰るのがマナーです。

 

 

 

習わしや教えに従い拝みをしていると思いますが、習わし以上に大事なのがマナーではないかと思っています。

 

御嶽や拝所は自然あふれる場所にあります。

たとえ拝みであってもそこで沢山のお線香をあげてもいいのか考えることです。

お賽銭でさえも自然の中ではゴミになってしまうのです。

 

 

 

沢山のお線香やお供え物よりも、真心が込められた祈り。

神仏様は礼儀礼節を心得た人を望んでいるはずです。