ベランダから「かぁ〜、かぁ〜」とカラスの鳴き声が聞こえてきました。
辺りを見渡すと電柱の上で1匹のカラスが鳴いていました。この辺りでカラスの鳴き声が聞こえるのは珍しいこと。
ここにもカラスはいるんだと思い眺めていましたが、無意識に「いいくとぅ、ガラーシ」と唱えていました。
「いいくとぅ、ガラーシ」とは「良いこと、カラス」という沖縄の方言。
カラスが鳴くと近くで不幸があるという迷信があり、不幸が起きないようにと願いを込めて鳴いているのは「良いことだよ」と唱えているのです。
今帰仁でカラスの鳴き声が聞こえるのは日常茶飯事。
それでもカラスが鳴くと祖母は「いいくとぅ、ガラーシ」と唱えていました。
久しぶりに鳴き声を聞き、とっさに唱えてしまいました。
よ〜く考えてみるとカラスにとっては迷惑な話ですよね。
カラスは不吉な鳥のイメージがある為に、不幸が起こるという迷信が作られたのでしょうね。
鳥に不吉も吉兆もなく、鳥は鳥です。
昔、カラスは神様に近い鳥として崇められ、神様の使いや縁起物と言われていました。
カラスが神様の使いなら鳴き声が聞こえると「良いことがあるかもしれない」と喜びに変わるでしょう。
不吉な鳥と言われれば不安になるし、神様の使いだと聞けば喜びに変わる。
人の心理は面白いものです。
見えない世界の事や確かめる術がないものに関して悪い風に伝えられると、人は不安になってしまいます。
カラスの鳴き声もそうで、不幸が起こると言われたら誰でも不安になります。
でも、本当に起こるかなんて誰にも分かりません。
「カラスが鳴くと不幸が起こる」
昔から言い伝えらえた迷信なら、迷信を考えた「誰か」がいます。
神様やご先祖様からの言葉を伝えられた時、それを伝えた「誰か」がいます。
誰かの言葉に恐れや不安を抱いたなら、よく考えてみて下さい。
「その言葉は誰の言葉ですか。」
誰かとは『同じ人間』です。
もし今、確かめようもない事に不安や恐れを抱いているなら、その言葉は同じ人間の言葉である事に気付いて下さいね。
一瞬でホッとすると思います。
「真実なのか嘘なのか」確かめようもない事に正解はありません。
自分がどう受け取るか。
それだけです。