明日は旧暦6月15日「6月ウマチー」です。
ウマチーとは豊穣祈願、感謝、集落の繁栄、健康祈願を行う行事です。
稲穂祭りとも呼ばれ稲の収穫を感謝する日でもあります。
現在はノロと村の区長で執り行っています。
タティウガンを午前中に行い、午後にフトゥチウガンを行います。
タティウガンは今帰仁城址の中腹にある「ティラ」で祈願します。
ティラは小さなガマです。
ティラまでの道が閉ざされている為、現在はティラに向かい遥拝しています。
昔は稲穂をお供えしていましたが米の収穫が出来なくなってからはおにぎりを供え祈願していました。
今はお菓子をお供えしています。
午後に今帰仁城内にある拝所「フイ殿内」にてフトゥチウガンを執り行います。
五穀豊穣、健康祈願と立てた願いを、感謝で解きます。
祖母の時代はティラまで足を運び祭祀を執り行っていたそうですが、現在ティラまでの道のりは木々で覆われ探すことも出来ないそうです。
拝所まで足を運ぶ事が出来ない場合は遥拝しています。
今帰仁では「ウタンカーする」と表現しています。
お供え物も時代に合わせ変わっています。
昔は稲穂をお供えし稲穂がなくなるとおにぎりに代わり、今はお菓子をお供えしています。
「お供え物は決まったものでなければいけませんか」とよく聞かれます。
参拝方法も手順を間違えたら大変な事になると心配する方も多いです。
しきたりや風習は大切です。
昔からの言い伝えや教えを守りながらも、時代に合わせて変えていくことも大切。
守り続けていくには変える勇気も必要です。
お供え物は人が神々様を思う気持ちの表れであって、神々様がお供え物を望んでいるわけではありません。
お供え物にも習わしはありますが、どんなお供え物であっても問題ありません。
参拝手順を間違ったからといって、神々様が怒ることもありません。
風習やしきたりを重んじる事も大切ですが風習やしきたりに縛られ不安な気持ちで祈願するより、真心で手を合わせる事の方が大切な気がします。
ノロの祭祀でさえ時代に合わせていかなければ、守り続ける事は出来ません。
「残るべきものは形を変えても残り続けます」
神々様に向き合う中で大切なのは「真心」です。