琉球の歴史で欠かせない存在であったノロ。
ノロ制度の廃止と共にほとんどのノロが途絶えてしまったため、ノロという存在を歴史に埋れさせない様ノロについて伝え続けています。
今では琉球の歴史に興味のある人も増え、ノロという存在も知ってもらえる様になりました。
ノロ殿内がどんな参拝所であるかを知った上で参拝に来ている人がほとんどですが、一部の人には違った伝わり方をしているようです。
先日のこと。
10名ほどの男女のグループが龍眼の木の前に集まり、その中の一人が龍眼の木について説明していました。
説明が終わった後、ノロ殿内の敷地内を自由に歩き回り。
その中の一人は龍眼の木の囲いの中に入り木の根っこに立ち、龍眼の木に抱きついていました。また別の人は敷地内にあるヌンドゥンチモー(旅の見送りをした小高い広場)に登っていました。
大勢でワイワイと庭を散策した後、参拝することもなくゾロゾロと帰っていきました。
龍眼の木だけが目的だったので、スピリチュアルツアーなのかもしれません。
ノロ殿内というより龍神様が宿る木があるパワースポットだと一部の人には伝わっている様です。
ノロ殿内は参拝所ですが個人宅でもあり、敷地内は私有地になっています。
私有地である事を表の看板に記載しているのですが、一部の人にとっては参拝所だからみんなの物という気持ちなのかもしれません。
勝手に人の家の敷地に入り庭を歩き回ったり、山に登ったり、囲いを超えて龍眼の木に抱きついたり。普通ならしてはいけない事。
とても残念な行動でした。
御神木である龍眼の木は神棚に向かって鎮座し、参拝する方々を見守っています。
太陽神様、代々のノロさんに背を向け龍眼の木の前でワイワイと騒ぐ姿を見て、白龍神様は悲しい思いだったのではないかと思います。
神仏様、白龍神様が宿る場所なのでパワースポットであることは間違いありませんが、
パワーが欲しくて足を運ぶならせめてその場所について知っておくべきです。
そして最低限のマナーを守るのは常識です。
ノロ殿内を訪れた人が元気になるのは神仏様、白龍神様のご神氣に触れエネルギーが満たされたからだと思います。
与えて欲しいと望まなくても、神仏様は与えているのです。