琉球の祈りは生活に密着しています。
旧暦1日、15日の日々の感謝の祈りをはじめ、季節毎に自然の恵みに感謝。
作物に感謝、お水に感謝、住んでいる土地に感謝。
自然の恵みによって生かされている事への感謝の祈りです。
種まきの時期になると五穀豊穰を祈り、収穫時期には豊作に感謝する。1年を通してノロの祭祀が執り行われている事からも季節毎に自然や神様に感謝していたのです。
琉球國や民の為に1年を通して祭祀を務めていたのはノロですが、琉球では個々でも祈りを大事にしていたのでしょう。
今でもその風習は受け継がれ旧暦1日、15日はヒヌカンを持っている家庭にとって欠かせない拝みになっています。
旧暦1日、15日は日々の感謝を祈り。
屋敷拝みでは住んでいる土地に感謝の祈り。
生活に密着した祈りである琉球の祈りは、この世に当たり前などなく全てお陰様である事を祈りを通して伝えている気がします。
旧暦の12月24日は
1年の感謝を捧げる「ウガンブトゥチ」の日です。
「ウガンブトゥチ」とは拝みを解く事を意味していて、1年間神仏様にお願いした事を感謝で解きます。
火の神様が天に帰り各家庭で起こった1年間の出来事を報告する日です。
1年を振り返り感謝と反省を行います。
祈りを解く事を重じている琉球の祈り。
「ウガンブトゥチ」は1年の中でとても重んじられている拝みです。
火の神様に1年の感謝と至らなかった点を反省し、新しい年に向かいます。
火の神様は天に帰り、天の神様に報告するのですが。
その際火の神様に良い事だけを天の神様に報告する様お願いし、至らなかった点は火の神様で補って下さいとお願いします。
至らなかった点を「不足ごと」とも言います。
拝み不足の不足ではありません。
「不足ごと(至らなかった点)があるなら、火の神様の方で足して下さい」と祈ります。
いつも側で守護している身近な火の神様なら不足ごとがあったとしても補ってくれると信じていたのですね。
「ウガンブトゥチ」を終える事で、安心して新年を迎えられたのでしょう。
古き良き祈りの風習です。
旧暦12月24日は1月18日です。
1年の感謝の祈りを捧げます。