昨日は旧暦8月15日。「中秋の名月」でしたね。
幻想的な夜空に美しいお月様が浮かんでいました。
旧暦の8月15日。ノロ殿内のある集落では4年に一度の豊年祭でした。
「豊年祭」とは五穀豊穣を祈る祭りで各地で行われています。
午前中は旧今帰仁ノロ殿内のヒヌカンにて15日のウートートーをしました。
旧暦の8月15日は今帰仁城跡にあるノロ殿内のヒヌカンで祈願します。
お供え物は「ふちゃぎ」という小豆のまぶされたお餅です。豊作を祈願してヒヌカンとお仏壇、神棚にお供えした後に食べる縁起物です。
赤は伝統的に魔除けの色とされ、蒸しあげられた小豆が赤いことから魔除け効果があると言われています。
小豆を潰さずにまぶす事で当年の厄除けを祈願します。
豊年祭はノロ殿内の神棚に祈願してから始まります。
神棚に五穀豊穣、無病息災を祈願し「かぎやで風」の奉納の舞が行われました。
「かぎやで風」とは祝宴の座開きとして踊られる祝儀舞踊です。
沖縄の結婚式の幕開けに踊られています。
豊年祭は地域によって毎年行われる地域と、4年に一度行われる地域があります。
4年に一度の豊年祭なので集落のとても大きな行事で、盛大に行われます。
老人会、青年会、婦人会、子供会と地域の方々が参加し、数ヶ月前から演舞練習を重ね本番を迎えます。
県内外から郷友会も参加し、生まれ育った故郷で共に盛り上げます。
棒術や獅子舞、琉球舞踊の松竹梅などの伝統芸能が披露されます。
神仏様へ感謝を伝える伝統行事。
昔々から、先人達は神仏様のお陰で生かされている事に感謝を忘れる事はありませんでした。
40数年前の神人のビデオで流れた豊年祭の映像を見ると、今年の豊年祭も当時と変わる事はなく厳かにまた盛大に行われていました。
神仏様への感謝の気持ちは時が経っても薄れることはなく、子や孫にも「お陰様」の想いが受け継がれているのだと感じました。
「お陰様」で生かされている事。
それは神仏様だけでなく、側にいる人、見えない所で力になってくれている人、全ての人。
全て「お陰様」である事に気づく事で、日々感謝の念が溢れます。
「ありがとう」の感謝の気持ちは心は満たし、幸せを感じます。
「お陰様」と感謝出来ることも、また「お陰様」なのですね。